本日、金春円満井会特別公演!!
2年に1回の祭典です!!
金春流としては、35年振りとなる、能楽最高秘曲「檜垣」。
この能は近年では、人間国宝・櫻間道雄先生、79世宗家金春信高先生の、お二人しか舞っておられません。
(最近の上演が、35年前!!)
75歳になられる本田光洋先生が、流儀としては3人目となる、この能楽最高秘曲を勤められます。
今日まで金春流を最前線で牽引されてきた、本田光洋先生。
私の祖父梅村平史朗と、本田先生の父君・本田秀男先生とは、兄弟子(秀男先生)弟弟子(平史朗)の関係でした。
79世金春信高先生と秀男先生・平史朗で、「三春会」という会を立ち上げたほどの仲でした。
お互いに、「秀ちゃん」「平ちゃん」と呼び合っていたそうです。
私の祖父は私の初舞台の時に他界しましたので、私は祖父の芸を知りません。
平史朗の高弟であられた富山禮子先生が、私に平史朗の芸を教えて下さいました。
それとともに、男性能楽師としては、本田光洋先生は祖父梅村平史朗に最も近い芸を体現されている方です。
なので、昔からことある毎に、平史朗の芸について、そしてのルーツの芸(櫻間家の芸)について、教えて下さったり、アドバイスをして下さいました。
なので、私は祖父から全く教えて貰ったことはないのに、その芸を知ることが出来、私のチヤニクとなりました。
そのような素晴らしい伝来を、能楽はしてきたのです。
(だから、観世元伯さんの芸だって、絶対に伝わっていくと私は思っています)
今日は、そんな「金春流の謡」「金春流の舞」というものを最前線で体現し具現化されてきた、本田光洋先生の、人生の集大成です!!
恐らく、本日の「檜垣」は、130分を超えるものになります!
35年前の信高先生の時は、2時間45分!!
想像を絶する長さです!
(信高先生は公演後、『これは、芸 でなくて、行 だ』という名言を残されています!)
私も地謡の一員を勤めさせて頂きます。
本田光洋先生の、集大成。
地謡座から目に焼き付けたいと思います。
そして、もう1番は、「石橋 群勢」。
女性能楽師 深津洋子、村岡聖美、柏崎真由子、林 美佐 の4人による、金春流としては、公式な舞台では初の女性能楽師による秘曲「獅子」の披演です。
79世金春信高先生が、大切に育ててこられた「女流の能」。
その前人未到の地を踏み分けてこられたのが、我が師富山禮子先生はじめ、女性能楽師の先生方。
今日勤める彼女たちが、金春流女性能楽師として、初の「獅子」に挑むのは、そういう先人達がいたからこそ、なのです。
そのことに感謝をして、そして、その歴史的意義を胸に、目一杯勤めて貰いたいと思います。
特に、村岡聖美は私の玄人弟子でもあり、今回も直前まで、私が伝えて頂いてきたことを伝授しました。
本田光洋先生の75年の人生の集大成としての花と、女性能楽師の若さの花。
私個人としては、今、大変に深い悲しみとショックを抱えていますが、そういうときにも、能が私も励ましてくれてきました。
今回も、そうです。
本日も、きっとそうです。
なので、しっかりと勤めさせて頂きます!!
当日券も若干あるようですので、お時間ある方は、是非国立能楽堂へ!