能楽の素晴らしさを、デジタルコンテンツとして内外に発信していくプロジェクトが始まります。
能楽の素晴らしさのひとつは、『自然との調和』。
能楽は、自然の中で演じられて、その輝きが更に活きてきます。
それは、元々が野外で演じられていたからに他なりません。
『薪能』は、まさにその最たるもの。
しかしながら、残念なことに、今後開催が全国的に激減・規模の大幅縮小が予想されます。
そのため、今年度1年間をかけて、
◎新潟県 佐渡島
◎奈良県 吉野山 蔵王堂
◎岩手県 平泉 中尊寺
能楽とのゆかり深く、そして日本を代表する観光地であるこの3ヵ所に於いて、
最新鋭撮影技術を用いて、現代に合わせた能楽の魅力を再発見する為のデジタルコンテンツを制作します!!
能楽を取り巻く環境は、今後益々、厳しさを増していきます。
下を向きたくなるこの状況、しかし今だからこそ出来る・やるべきことがあるはず!!
厳しい今だからこその、【攻め】の企画です。
『やっぱり、能楽は凄い!!』
『能楽を初めて観てみたい!!』
『やっぱり、能楽は今、必要だ!!』
『やっぱり、薪能が、また観たい!!』
『薪能、復活して欲しい!!
『薪能、観てみたい!』
そう思っていただけるものにしたいと思います!
、、、、、、、、、
昔は、能楽師が黙っていても、「能楽は素晴らしい」
「能楽は守らなくてはならないものだ」と、声を挙げて守ってくださる方々がいました。
もちろん、今でもいらっしゃいます。ありがとうございます。
しかし、今では、残念ながら、極々少数の方々となってしまいました、、、
不肖ながら私は、能楽協会の理事を拝命し、昨年春からのコロナ禍の中、全国1,100名(減少の一途ですが)の
能楽師の代弁者として、様々な場面で色々な方々と対面し話してきた率直な感想は、
『ああ、どこかで能楽は守られている、最後の砦的に守られている、という感覚は、100%いや120%捨てなくてはならないのだ』
ということでした。
【能楽は最早、1ミリも守られてはいない。】
この現実を本当に心に痛く突き付けられました。
であるならば、もう形振り構わず、能楽師自身が声をあげる以外にはない。
『なんとしても、あらゆる手を尽くして、能楽は生き残ってやる。』
私は心に固く誓いました。
能楽流派、一門、家、団体、ユニット、個人、能楽師はそれぞれに頑張って、
伝承を続け、稽古を続け、公演し発信しています。歯を食いしばって耐えています。
能楽協会には、能楽界(内側)へ、同時に、日本人へ、世界へ(外側)発信していく役割があります。
ご宗家代表者・ご嫡男、そして人間国宝による
『オリンピックパラリンピック能楽祭~喜びを明日へ~』
この現代能楽界の最高のイベントの開催も然り。
今後も全国の能楽師と手を携えて、企画を進めていきます。
厳しいときだからこそ、の発想。
【能楽の中にこそ、我が国の根本的な理念が存在する。】
この気概をもって、能楽が今踏ん張ることが、他ジャンルの文化芸術にも良い影響を与えることに繋がると考えます。
能楽に有りそうでなかった、最新鋭のデジタルコンテンツ。
私もお手伝いとして明後日から佐渡島へ渡ります。
頑張って参ります!!
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2021年5月28日(金)
この度、公益社団法人能楽協会では、「能楽」「観光」「四季」をテーマに、日本の魅力再発見に資するデジタルコンテンツとして、「能楽を旅する」と題した特設サイトを開設する運びとなりました。
四季折々の日本の風景と能楽の融合により、「能楽」を軸とした日本の多角的な魅力発信を実現し、将来のインバウンドまた国内ツーリズム需要喚起に資する様々な映像や記事を発信していきます。
多くの皆様に、日本人が育んだ豊かな文化芸術・能楽のひと味違った魅力をお届けします。
特設サイト公開は6月中旬を予定しております。その後、順次記事及び映像を公開予定です。