【『この花』に向けて】その参
『第14回 山井綱雄之會』( 10/25 金曜 18:00開演 銀座 観世能楽堂 ) まで、あと一週間を切りました。
申し合わせ(リハーサル)は、明明後日です。
ここで初めて、全出演者が集い、今回の「この花」の全貌が見えます。
台本は、80世金春安明先生が、伝来の伝書にある豊臣秀吉公に寵愛された62世金春安照の節付けを、現代の節付けに忠実に『翻訳』してくださいました。
なので、謡本(台本)は、万全です。
しかし、「この花」には、型附(かたつけ:舞い方の指南書)がありませんでした。
なので、過去の諸先輩諸先生の舞台を参考にしつつ、私自身で色々と型附けを考えてきました。
ラストシーン辺りをどうするかを、特に色々と考えてきましたが、もう固まりました。
今回、衆我財団様の御支援により、イヤホンガイドを導入します。
解説者は、後藤和也さん。
髙橋忍さんの門下として、プロとして金春流の地謡方として出演されながら、兼業では塾の先生、として「鎌倉FM」に「能への誘い」というレギュラーのラジオ番組まで持っている方です。そして、能楽研究の本山・法政大学能楽研究所の出身。
金春流の能楽をよく知り、喋ることに長けていて、学術的なことも詳しい。これ以上の方はいません。
今回、後藤さんから、「この花」について、色々と教えて頂きました。(後藤さん、ありがとうございました!)
昔からのレパートリー古典曲ではない「この花」には、学術書も参考書もありません。
なので、中身を深く理解しつつ、稽古をしていきながら、ああでもないこうでもないと、試行錯誤してきました。
奇をてらうような演出はありません。あくまで、金春流の伝来の力、伝統の力に勝るものはありません。
でも、その中に、私なりの想いといいますか、この作品の想いを込めました。
私の想い、というよりかは、この作品の想いを、この現代に即して立体化した、という言い方の方が相応しいかもしれません。
「この花」、いい曲だと思います。
私自身、楽しみです!!