去る6月20日水曜、第77回公益社団法人能楽協会の総会が行われ、信任を頂きまして私儀、能楽協会本部理事に就任致しました。
昭和20年に設立され半世紀以上に渡り戦後の能楽界の発展の為に貢献し、現在もシテ方三役全流派現在約1,100名の全国プロ能楽師の統括団体である、能楽協会。
理事長観世銕之丞先生以下、本部理事23名の内の一員となりました。
現今の能楽界はとても厳しい現状にあります。後継能楽師、能楽愛好者、能楽の催しの減少が続いています。そんな中でも私の同世代や若い能楽師は皆、能楽の灯火を消さぬよう日々能楽普及の為に奮闘しています。
厳しい能楽界の現状とは裏腹に、日本中にも、そして世界中にも、能楽が永きに渡り伝承してきた「日本の心」が、今ほど必要とされている時はない、とも感じます。
正直申し上げて、この歳でまさか本部理事を仰せつかるとは思ってもなく、その重責をひしひしと痛感しております。
能楽界の明るい未来のために。
微力ながら、尽力させて頂く所存です。(総会後の理事会での新任理事就任挨拶の中でもそのようなことを申し上げました)
『能楽を、潰してたまるか』。
余り綺麗な言葉ではないですが、いつも私の頭に浮かぶこの言葉を胸に、頑張って参る所存です。
謹んで、ご報告させて頂きます。
今後共、ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。
シテ方金春流能楽師
山井 綱雄