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Channel: 能楽師・山井綱雄の~日々去来の花~
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金春穂高さんが守り続ける『奈良金春の心』に敬服!

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本日、3/21、奈良春日野国際フォーラム甍での、金春晃實先生17回忌追善の特別公演へ、お伺いさせて頂きました。

金春晃實先生は、77世宗家金春栄次郎先生のご長男。79世信高先生の従弟でいらっしゃいました。
とてもスケールの大きい、懐の深い、奈良の雄大な大地を彷彿させる芸であられました。
今の奈良金春を纏めている金春穂高さんは、晃實先生のご長男です。

ここでも何度も申し上げて居るとおり、我が金春流は、能楽最古の歴史を持つ流派です。
そのルーツである、『奈良』という特別な土地で、古来よりずっと、そして今でも、能楽金春流を守ってこられたのが、晃實先生であり、穂高さんである訳です。(金春宗家は東京に移住されたので)

そんな中、若い頃東京へ修業へいらしていた時代に、随分と飲みに連れていって下さって、ご馳走して下さった、穂高さん。

今回、52歳にて、大曲『卒都婆小町』を披き(初演)されました!

それに、先立ち、穂高さんの長男・飛翔くん、次男・嘉織くんが、ご立派に能「初雪」を勤められたことに、感動!

舞台を見守るように、脇正面見所後ろに設置された、晃實先生の御遺影。
地謡に座ると、晃實先生が見つめられているようでした。

晃實先生も、どれほどお喜びになられているかと思います。
出番前の飛翔くんにも、声をかけましたが、今日は、晃實先生も、お孫さん達と舞台で一緒に舞われていたことと思います!!

先日訪れました、山形県の黒川能。
ここには、神様がいて、そして、神様に捧げる神事としての能が古来より残っていると感じました。

それと同じことを、この奈良で、毎回、私は感じます!
奈良には、我が金春流の、1400年に及ぶ歴史が活き付いています!!

そこを守っているのが、穂高さん!

いつも伺うと、誰よりも、楽屋で駆けずり廻っているのが、穂高さんです。
(これは、舞台だけをご覧になられているお客様はご存知ないことかと思いますので、敢えて書かせて頂きます。)

そんな、舞台でも、楽屋でも、誰よりも1番駆けずり廻って、一生懸命な、穂高さん。
そんな穂高さんの後ろ姿を見て、いつも私も内心奈良に伺う度に、嬉しくもあり、また、励まされる思いでもありました。

そんな穂高さんが、一生懸命守っているのが、奈良・金春。

今日は、そんな父の後ろ姿を、お子さん達が、見つめておられました。

穂高さんの想いは、当日パンフレットの挨拶に込められていました。

穂高さんの、『生きざま』の詰まった、濃密な「卒都婆小町」でした。

私も、頑張る勇気を穂高さんから貰いました。

やっぱり、能は、凄いなぁ。。。

ありがとうございました!!











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