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Channel: 能楽師・山井綱雄の~日々去来の花~
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もうすぐ6年目の3.11

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もうすぐ、6年目の、3.11。

 この日は、日本人が決して忘れてはいけない日。

 一昨日日曜日夜のNHKテレビで、今も2,600人以上の方が行方不明で、今も家族を懸命に探し続けている方々を追ったドキュメントを放映していました。

 そして、今も毎月伺っている、福島県いわき市。

 人類未曾有の難題と苦しみに直面している福島の方々。
 東京でも他人事のように言う人がいますが、あなたはどこから来ていた電気を使っていたのですか???と言いたいです。

 震災の数年後、ジャーナリストの方が、車で警察がバリケードを作って立ち入り禁止にしているところのギリギリまで連れて行って下さり、車を降りて、感じた、恐怖と驚愕。
防護服を着た作業員の人達を乗せたマイクロバスが行き交い、バリケードの奥にマイクロバスは消えていく。
 信号は点滅し、大きな道路標示には、北面に、 相馬 の文字が。

 本当なんだ、、、
 映画やドラマではなく、これは夢でもなく本当に現実なんだと、私はその場で立ち尽くして、言葉を失い、茫然自失となってしまいました。。。


 まだまだ、終わってはいないのですね。

 しかし、福島の方々は、明るく、前を向いて生きておられます。


 震災1年後の3/10に、手弁当の有志能楽師15人と共に、いわき市岩間海岸の更地で勤めさせて頂いた、能「羽衣」。
数日前からずっと降りやまない強風と雨の中、有志能楽師たちの熱い想いで強行上演した、能「羽衣」。
能の中盤、羽衣をまとい、舞いはじめるときに、私の能面の狭い視野から見えた、かっぱや傘をさして見ているお客様の向こうの瓦礫の山の、更に向こうの空が真っ二つに割れ、差し込んてきた陽の光。
能羽衣あとの、晴れ渡った、空。
あの、奇跡を、一生忘れることは出来ません。

ああやはり、神様っているんだ。
そして、これこそ、『希望』なんだと。

、、、、、

あの鎮魂祭からも5年経ちました。


今週の、6年目の、3.11。

岩間海岸にほど近い小浜海岸にて、心を込めて、舞わせて頂きます。


~~~~~

平成29年3月11日 
福島県いわき市小浜海岸

なこその希望プロジェクト
~6年目の3.11~伝統文化で偲ぶ追善供養

と題して、以下の通りで実施します。

第1部:真言宗智山派青年会による法要
14:30~    読経・焼香
14:46~    黙祷
14:50~    水供養
17:15~    キャンドル・トウィンクルハート点火・点灯

第2部:伝統文化で偲ぶ追善供養
17:45~ 関西からの元気玉
         
浄瑠璃人形遣い 勘緑+木偶舎
韓国伝統芸能  パク・ウォン
篠笛演奏家   阿部一成
和太鼓奏者   溝渕健太

19:00~ 仕舞               
金春流能楽師 山井綱雄
金春流能楽師 村岡聖美

第3部: 希望の花火 打ち上げ
湘南花火    辻 博

 日常の生活では東日本大震災は遠い過去の出来事のように感じてしまうことがあるかもしれませんが、被災した人たちの中には未だに借り上げ住宅で暮らしている人や、生活再建のめどが立たずに途方に暮れている人もいます。同時に防災についても震災当時ほど真剣に捉えることもなくなりつつあり、もう一度当時を振り返り次の世代に何を伝えなければならないか考える必要があると思います。

 3月11日は私たちにとって掛け替えのない教訓を教えられた日です。犠牲になられた方々を偲び、生きることの大切さと身を守るための戒めを再確認するためにも、是非足を運んでいただきたいと思っています。

 魂を込めたプロの芸術は心を揺さぶるものがあります。早春の夕暮れの海で貴重な時間を過ごしてください。昨年も希望の花火を打ち上げました。小浜町・岩間町の皆さんから素晴らしいとの声をいただきました。僅かな予算しかないのに数百倍の花火を挙げてくれます。
必ず感動に出会うことが出来ます。

 是非お出で下さい。


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