ROAD TO 光の素足
第五話 引用されている宮沢賢治作品の数々
2/26日曜 国立能楽堂 での、私の初挑戦となる、新作能 光の素足。
この新作能光の素足には、宮沢賢治作品が、な、な、なんと!9作品も使われています!!
新作能 光の素足 は、宮沢賢治の原作である、童話「ひかりの素足」を元に作られています。が、新作能光の素足は、「ひかりの素足」の後日談。
なので、「ひかりの素足」と「光の素足」。作品のタイトルが平仮名と漢字と、微妙に違いますね!これは、能作者の中所さんが、意図的にそうされたのだと思います。
新作能 光の素足 では、「ひかりの素足」を元にしつつ、宮沢賢治の世界観を総括するように描いています。
たがら、極限していえば、膨大な宮沢賢治作品を読まなくても、今回のこの、新作能光の素足 をご覧になれば、宮沢賢治作品をざっとではありますが、通読したことになります。
これは、能の古典作品が、例えば、源氏物語や平家物語や伊勢物語を通読したことがなくても、それらを元にした能の作品を知れば、大まかなそれらの元の作品が理解できるように作られているのと、同じです。
さて、この新作能 光の素足 に使われている、宮沢賢治作品を列挙します。
新作能 光の素足 引用作品(順不同)
🔘ひかりの素足
🔘雨ニモマケズ
🔘原体剣舞連(はらたいけんばいれん)
🔘白い鳥
🔘双子の星
🔘農民芸術概論綱要
🔘銀河鉄道の夜
🔘永訣の朝
🔘春と修羅
何と!これだけの作品が、ふんだんに使われています!
地謡が謡うものは、ほとんどが、宮沢賢治作品、宮沢賢治が紡ぎ出した美しい日本語です!
「雨ニモマケズ」は、全文が登場し、舞も舞います!
そして、この能の冒頭が、少年一郎が、宮沢賢治の出身地宮城県の民俗芸能・岩崎鬼剣舞(いわさきおにけんばい)を稽古しているところから始まるのですが、その始まり方が、大変にユニークです。それは、見てのお楽しみ(笑)!
その言葉は、宮沢賢治作品「原体剣舞連」からの引用で、最初の稽古の場面のほとんどは、この作品からの引用です。
そして、「光の素足」が、臨死体験をして生き返った一郎が、まだ生きている意味を見出せずに悶々としているところに、再度現れて、再び生きる意味を問いかけます。
そこでは、頑張れ!とかの陳腐な励ましでなくて、宮沢賢治自身が、身を削って紡ぎ出した、珠玉のことばを引用して、励ましていく訳です!
だから、この作品は、素晴らしいのだと思います!
最愛の妹を病気で失い、この世に神も仏もあるか!と怒り嘆き悲しんだ、「永訣の朝」。
そして、この舞台は、夏の人里少し離れた、丘の上。
空には、満天の星空。そう、誰しもか知っている、名作「銀河鉄道の夜」の世界です。
そして、アイ狂言として、二人の星の精霊が繰り広げる寸劇は、「双子の星」の世界。
そして、私が最も印象深いのが、『芸術は金持ちだけのものではない、貧しい平民、農民のためにあるので、その本来の姿を取り戻そう』と訴えている「農民芸術概論綱要」からの引用です。
『まづもろともに 輝く宇宙の微塵となりて
無方の空に散らばろう
共に銀河の塵となり 共に銀河の塵となり
無方の空に散らばろう』
宮沢賢治の、宇宙の世界。
もしご興味ある方は、これらの作品に目を通されてから新作能光の素足をご覧になると、更に深く、楽しめることうけあいです!!
~~~~~
因みに、お尋ね頂いていますが、当日券もあります!
今から、行ってみようかなとお考えの方も是非、宮沢賢治の夢の世界、能の新しい世界を覗きにいらして下さい!
一人でも多くの方々にご覧頂きたいです。
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第五話 引用されている宮沢賢治作品の数々
2/26日曜 国立能楽堂 での、私の初挑戦となる、新作能 光の素足。
この新作能光の素足には、宮沢賢治作品が、な、な、なんと!9作品も使われています!!
新作能 光の素足 は、宮沢賢治の原作である、童話「ひかりの素足」を元に作られています。が、新作能光の素足は、「ひかりの素足」の後日談。
なので、「ひかりの素足」と「光の素足」。作品のタイトルが平仮名と漢字と、微妙に違いますね!これは、能作者の中所さんが、意図的にそうされたのだと思います。
新作能 光の素足 では、「ひかりの素足」を元にしつつ、宮沢賢治の世界観を総括するように描いています。
たがら、極限していえば、膨大な宮沢賢治作品を読まなくても、今回のこの、新作能光の素足 をご覧になれば、宮沢賢治作品をざっとではありますが、通読したことになります。
これは、能の古典作品が、例えば、源氏物語や平家物語や伊勢物語を通読したことがなくても、それらを元にした能の作品を知れば、大まかなそれらの元の作品が理解できるように作られているのと、同じです。
さて、この新作能 光の素足 に使われている、宮沢賢治作品を列挙します。
新作能 光の素足 引用作品(順不同)
🔘ひかりの素足
🔘雨ニモマケズ
🔘原体剣舞連(はらたいけんばいれん)
🔘白い鳥
🔘双子の星
🔘農民芸術概論綱要
🔘銀河鉄道の夜
🔘永訣の朝
🔘春と修羅
何と!これだけの作品が、ふんだんに使われています!
地謡が謡うものは、ほとんどが、宮沢賢治作品、宮沢賢治が紡ぎ出した美しい日本語です!
「雨ニモマケズ」は、全文が登場し、舞も舞います!
そして、この能の冒頭が、少年一郎が、宮沢賢治の出身地宮城県の民俗芸能・岩崎鬼剣舞(いわさきおにけんばい)を稽古しているところから始まるのですが、その始まり方が、大変にユニークです。それは、見てのお楽しみ(笑)!
その言葉は、宮沢賢治作品「原体剣舞連」からの引用で、最初の稽古の場面のほとんどは、この作品からの引用です。
そして、「光の素足」が、臨死体験をして生き返った一郎が、まだ生きている意味を見出せずに悶々としているところに、再度現れて、再び生きる意味を問いかけます。
そこでは、頑張れ!とかの陳腐な励ましでなくて、宮沢賢治自身が、身を削って紡ぎ出した、珠玉のことばを引用して、励ましていく訳です!
だから、この作品は、素晴らしいのだと思います!
最愛の妹を病気で失い、この世に神も仏もあるか!と怒り嘆き悲しんだ、「永訣の朝」。
そして、この舞台は、夏の人里少し離れた、丘の上。
空には、満天の星空。そう、誰しもか知っている、名作「銀河鉄道の夜」の世界です。
そして、アイ狂言として、二人の星の精霊が繰り広げる寸劇は、「双子の星」の世界。
そして、私が最も印象深いのが、『芸術は金持ちだけのものではない、貧しい平民、農民のためにあるので、その本来の姿を取り戻そう』と訴えている「農民芸術概論綱要」からの引用です。
『まづもろともに 輝く宇宙の微塵となりて
無方の空に散らばろう
共に銀河の塵となり 共に銀河の塵となり
無方の空に散らばろう』
宮沢賢治の、宇宙の世界。
もしご興味ある方は、これらの作品に目を通されてから新作能光の素足をご覧になると、更に深く、楽しめることうけあいです!!
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因みに、お尋ね頂いていますが、当日券もあります!
今から、行ってみようかなとお考えの方も是非、宮沢賢治の夢の世界、能の新しい世界を覗きにいらして下さい!
一人でも多くの方々にご覧頂きたいです。

