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Channel: 能楽師・山井綱雄の~日々去来の花~
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いよいよ明日、今年最後のシテ能「一角仙人」!

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いよいよ、明日、11月13日日曜日に迫りました、私の今年最後のシテ公演、金春会定期能  能 「一角仙人」  。

一昨日の夜、申し合わせ(唯一の全体リハーサル)でした。

ツレ役をお勤め頂きます、櫻間金記先生。

一緒に合舞をします、「楽(がく)」ですが、いや~~、緊張感ありました!といいますか、私が一方的に緊張していただけなのですが(笑)。

今や、この歳になりますと、師匠も稽古でも一緒に舞って下さることは中々ない訳で。

そんな中で、なんとも言えない、緊張感でした。

正直申し上げて、金記先生と私の間にあります、30年の芸歴・キャリアの差というものは、どう逆立ちしても、叶いません。
能という芸術は、そういうものだと、思います。

しかし、胸をお借りして、今の精一杯で舞い、表現して、かつ、楽しみたいです。

申し合わせの舞台上、ツレの金記先生が、私・一角仙人へお酌をする場面があります。
本番では、能用の違う扇になりますが、金記先生が私にお酌をするために、近付いてこられた時に、私は、「あっ!!」と思いました。

金記先生が使われていた扇は、私が11年前に能楽師の登竜門 「道成寺」を初演して、出演者や関係者にお配りした、誂えて作りました、その扇でした。

私の記念の扇を、わざわざ、この申し合わせに使って下さったのでした!!

私に対する、金記先生の言葉にならないご配慮・想いに、胸の熱くなる想いがしました。

そして、二人の息子たち。
後半の、龍神として、出演します。

長男はまだしも、次男が中々のへそ曲がりで、、、、

私自身が、イライラしてカンシャクを起こしそうになるのを、グッと抑えて(苦笑)、色々と言って聞かせました。

当日は、大勢のお客様が、楽しみに観に来てくださること、そして、こうして親子3人で舞台に立てることが、普通の家では中々ないことで、貴重な経験になること、そして、パパ自身が3人で舞台に立てることを楽しみにしていること、それらを伝えて、上手くなくてもいい。運動会の徒競走みたいに一番にならなくてもいい。とにかく、一生懸命にやること。これが大切なんだ、そうすれば、その心が伝わって、お客様は良かった!と思ってくれるんだよと説きました。

やっと、自分が舞台に出ることが腑に落ちて、納得したようでした。

ここまでも、泣いたり、兄弟で喧嘩したり、色々とありましたが、なんとかやってくれると思います。

次男は、へそを曲げると中々回復しないので(苦笑)、苦心しましたが、舞台に出ること自体は、嫌ではないらしく、「能は嫌い?」「舞台に出るの辞めようか」と私が言うと、首を横に振るのが、まだ救いです(苦笑)。

まだまだ息子二人は拙い芸ですが、とにかく、親子3人での舞台を、私自身楽しみたいです。

そして、子供の時からお世話になっている金記先生との、かけがえのない、舞台で共有するひとときも、ピリピリした緊張感の中で、楽しみたいです。

明日は、天気も良く、流儀の定例公演ですが、大勢のお客様が、いらっしゃって頂けそうです。

チケットも、まだギリギリまでお受けしますので、行ける!という方はご連絡下さい!

明日、今年最後のシテを楽しんで、頑張ります!!
お越しの皆様は、どうぞ宜しくお願い致します!!

~~~~~~~~~~~~

金春会定期能

平成28年 11月 13日日曜
12時30分開演   (11時45分開場)
於  国立能楽堂  
(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1)

能  一角仙人
シテ(一角仙人)山井綱雄
ツレ(旋陀夫人)櫻間金記
ツレ(龍神)山井綱大  山井惠登
ワキ  福王和幸
笛      松田弘之
小鼓   住駒充彦
大鼓   亀井広忠
太鼓   梶谷秀樹
後見   本田光洋
地頭   金春安明(金春流80世宗家)

他に、
狂言  樋の酒
シテ   野村万作(人間国宝)

能 経政  シテ 櫻間右陣
能 葛城  シテ 佐藤俊之

(一角仙人の開演:15時過ぎ  終演:16時20分頃予定)
タイムスケジュール
12:30~   経政
13:15~   樋の酒
13:50~   葛城
15:15~   一角仙人

(一角仙人 あらすじ)
  鹿の胎内より生まれために一本の角を持つ仙人は、一角仙人と呼ばれた。龍神との争いの末、一角仙人は神通力で龍神たちを岩屋へ封じ込めてしまった。それにより天竺の波羅奈国では雨が降らなくなったために、困った帝は仙人の神通力を奪おうと、美しい旋陀夫人を始めとした一行を仙人の元へやった。
  道に迷った旅人の振りをして仙人の元へやってきた官人と旋陀夫人は、仙人に酒を飲ませ舞を舞い、酔いつぶして神通力を奪ってしまう。
  すると岩屋が鳴動し、封じ込められていた龍神たちが飛び出し、驚いて目を覚ました一角仙人は、龍神を制しようとするが、叶わず倒れ伏す。龍神は嵐を起こし大雨を降らして、その中を飛び去って行ったのだった。

その他の能のあらすじ
the 能 ドットコム
http://www.the-noh.com/jp/index.html


山井綱雄より一言

私の今年最後のシテ役です。
「一角仙人」は、金春流中興の祖の一人 59世金春禅鳳 作の金春流ゆかりのスペクタクル能。珍しい演目です。歌舞伎十八番「鳴神」の原曲です。
  ツレには、なんと、金春流を代表する名手・櫻間金記先生!ツレは通常は同世代もしくは下の世代が勤めるものですが、この能のツレは大切な役であり、かつ有り難いことですが金記先生自ら手を挙げて下さいました!一緒に合舞をします!幼少期よりお世話になっています金記先生との大変に有り難い刺激的な機会です!
そして、まだ拙い芸ですが、長男・綱大(中1)、次男・惠登(小3)も揃って出演します。
狂言は、人間国宝・野村万作先生!最高の芸を拝見出来ます。
皆様のお越しを心よりお待ち申し上げます。
宜しくお願い致します。

山井綱雄

チケット  全自由席 
一般  5.000円   
25歳以下優待席  2.500円

チケットお申込み:
山井綱雄後援会 TEL:070‐6526‐0270 
E-mail:tsunaofc@yahoo.co.jp






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