Quantcast
Channel: 能楽師・山井綱雄の~日々去来の花~
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1559

二十五絃箏奏者・中井智弥くんのリサイタルに出演!

$
0
0

一昨日になってしまいましたが、二十五絃箏奏者・中井智弥くんのリサイタルに出演しました!

「能の女たち」というタイトルが付いていて、能を題材にした中井くん作曲のオリジナル曲が、ズラリ。

その中の一曲、「葵上」を舞わせて頂きました。

能をリスペクトしてくれて、能が大好きだという、中井くん。たがら、能を知ってくれているので、話が早い(笑)!

中井くんのオリジナル曲で、能の世界観を謡と舞で表現しました。

会場にも、能を知らない中井くんファン(邦楽ファンでも能を知らないお客様は沢山いらっしゃるのです。このときもそうでした)が大勢いらっしゃいましたので、能や葵上についてを簡単に説明させて頂く時間も頂いて、能の世界を知って頂くことになったかなと思います。


中身は、能に負けない、濃密なひとときでした!!

ただやりたい演奏を一方的にやる、というだけでなく(それだけでも彼は非凡なものを持っていますが)、お互いの呼吸と間と空気を感じながら、絶妙に連動していくのが感じられて、何ともいえない世界を創ることが出来たかなと思います!

また逆に、何度も謡ったり舞ったりてしてきた能の名作「葵上」ですが、ああこういう解釈もあるんだ、というように、新しい発見というか、当たり前にやってきた能の「葵上」を自分の中で再構築することにも繋がったと思います。

能が元々交わらない邦楽と一緒にやることについてのリスクも、理解しているつもりです。

しかし、こういうことをきっかけにして、能の敷居をまたいで下さる方が一人でも増えればとの思いです。

全ては、伝統的な能の公演に、また大勢のお客様が来てくださるようにするために。


それと、私は、やはり、人が好きなのかもしれません。
それがたまたま、それぞれのジャンルで、今回の中井智弥くんは、二十五絃箏だっただけです。


それ自体も刺激的で愉しいひとときですが、またふっと当たり前の能の公演に戻った時に、当たり前の型で舞い、当たり前の節で謡を謡っていても、それが前とは違って感じられたりとかします。


話は少しそれますが、今、能楽師と話をしていても、世知辛い話ばかりです、、、、

しかし、能の伝統は繋いでいかなければなりません。

何が正解で、これさえやればうまくいく、ということはないと思います。

やれることは、全てやる。

これしかないのかなと。

他ジャンルとの交流、そして、能を知らない方々への啓蒙。若い人への啓蒙。

昨日は、65歳オーバーの方々への定期的な講座で、能の名作『井筒』について、世阿弥作の原文を音読しながら、作品の素晴らしさをじっくりと講義しました!

そして、今週は、小学校を2校、廻ります。

個人的にご縁のあった公立の小学校です。

一校は、高校の同級生が教員をやっている小学校を訪問します。

そして、もう一校は、地元の小学校の生徒さんへ、能のレクチャーと共に謡曲「鶴亀」の稽古で、定期的に通っています!
これはまた、いづれ。



おっと話がそれてしまいましたが(笑)、中井くん、ありがとうございました!!

そして、ご覧のお客様、ありがとうございました!!
まだまだ、色々、頑張ります!









Viewing all articles
Browse latest Browse all 1559

Trending Articles