ジャズピアニスト・木原健太郎さん。
彼との出会いは、私の一生の得難い財産です。
木原さんの魅力は、色々ありますが、一番は、音が暖かいこと。
大きな 『 愛 』を 、いつも木原さんのピアノから感じています。
卓越した演奏は勿論、これは、彼の人間性に起因していることだと、思います。
12/7月曜の、凱旋公演 では、能楽師のなかに、ひとり、木原健太郎さんがどう絡んでくるのか?
木原さんとお囃子方が、初めて、絡みます!
これがまた、何とも言えず、絶妙なのです。
最後の、舞曲 「絆」の場面で、能「楊貴妃」のクセ という場面の謡を引用したところがあります。
『出会うということは、いつかは、誰でも別れがきてしまうのだ』という切なさを謡った謡です。
そこは、謡は、高橋忍さん一人の謡と、大鼓・安福光雄さんのソロの演奏、そして、木原健太郎さんのピアノが、絡んでくるところです。
そこで、私が舞います。
それぞれがソロで、絶妙な、せめぎあいと、そして、融和を魅せます。
舞と、謡と、お囃子と、そして、ピアノ。
筆舌に尽くしがたい、大きなうねりと緊張感が、舞台を包みます。
舞う私も、謡の高橋忍さんも、大鼓の安福光雄さんも、そしてピアノの木原健太郎さんも、その場面で表現していることは、『会者常離』という、『切なさ』。
私が、舞いながらも、ゾクッとする場面であり、私自身のアイデアでそうした場面にしたのですが、ものの見事にはまって、会心の場面となりました。
その場面では、謡一人、囃子一人、ピアノ一人というのが、ミソなのです。
木原さんは、全編に於いて、一切、譜面を見ていません。
かといって、アドリブで弾いている訳でもありません。
彼が見ているのは、能楽師出すの空気・波動。
何とも言えない、不思議な空気。
ジャズピアニストと、能楽師が通じあう、空気です。
これは、海外の方々にも通じることが、今年の春に実証されたのです。
その空気を、是非感じにいらして下さい!
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木原健太郎さん
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