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Channel: 能楽師・山井綱雄の~日々去来の花~
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『タイタス』本読みとカクシンハンスタジオ生との交流

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来月から始まる、シェイクスピア劇『シン・タイタス-2038-』の稽古に向けての、暗唱の日々が続いております(苦笑)‼️

能楽やっているのなら暗唱はお手の物、といいたいところですが(苦笑)、シェイクスピア劇は能楽とは比較にならない程セリフの分量が膨大で、何とか稽古初日に間に合わせるために、日々台本と格闘しております(苦笑)‼️
((ヾ(≧皿≦メ)ノ))

さて、作品の世界観や行間を読み解きディスカッションを重ねていく「本読み」を、主宰の演出家木村龍之介さんと何回か重ねております。

その内の1回は、木村さん主宰の「カクシンハンスタジオ」の役者さん達のトレーニングにお邪魔して、「公開本読み」の形でさせて頂きました。

5歳で能楽の初舞台を踏んでから43年。能楽の芸道の中で、先生方から有難い教えを沢山頂き、日々必死にもがいてきました。それは今もそうですが。
また、15年前、大学の同級生が主宰する劇団ユニットに誘われ、現代劇という世界を初めて体感し何度が舞台を踏ませて頂きました。
13年前には、その時知り合った方の劇団で、スコットランド・エジンバラ演劇祭で約1ヶ月に渡り連日の芝居をし、紀伊国屋サザンシアターの舞台にも立たせて頂きました。

そうした経験の全てが今、シェイクスピアという偉人の作品と向き合った時に、全て繋がり活きているという実感があります。

『タイタス』という作品の中でシェイクスピアが云わんとしていることの解明の糸口が、上手く言えませんが、私が小さい頃から教えて頂いてきた、世阿弥や金春禅竹はじめ能楽の先人達の教えと繋がる瞬間が、私の中にあります。

シテ方能楽師では、恐らく殆ど前例が無く初めてかもしれない、シェイクスピア劇への本格的挑戦。

そしてそれは、上辺をなぞるだけの単なる『回顧主義』にならずに、現代と今と未来を見つめる作品として、今の、現代の人に響くように、演じる。
主宰の木村さんの強い拘りであり、私も強く同感するところです。

若い役者の稽古を拝見していて、私の口から自然と出た、世阿弥の教え。

『一調  二機   三声』。
いっちょう  にき   さんせい。

謡の声をひとつあげるだけでも、これだけの準備があるのだと説いた、世阿弥の教えです。

彼らを観ていて、口に出ました。
私ではなく、彼らの熱意が私から引き出したもの、と言う方が自然かもしれません。

偉そうに語り(笑)、私も誰かに伝えていく立場になってきたのだと、責任を再認識させられた場面でもありました(笑)。

若い役者さん達の荒削りなピュアなエネルギー
に、大いに私も触発されました。

そして、木村龍之介さんとも、色々と意見を交わして、シェイクスピアの世界に、少しだけ近づいた実感が沸きました。

まだまだ、挑戦は、始まったばかりです!

頑張ります‼️









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