東日本大震災から、今日で、10年。
あっという間です。
今日の福島県いわき市の空は、快晴です。
今、2008年からご縁を頂いている、福島県いわき市に来ています。
10年前の今日、津波で大変な被害のあった岩間海岸での、追討式典に出席させて頂くためです。
震災1年後の2012年3月10日。
10名以上の能楽師が手弁当でこの、いわき市岩間海岸に集結してくれました。
震災1年後の、『なこその希望鎮魂祭』。
信じられない豪雨と強風の中、異例中の異例として、集結した能楽師の「やろうよ、やる為に来たんだ」という熱い総意により、能「羽衣」を決行しました。
大勢の地元の被災者の方々が見守る中、そして、大勢の地元ボランティアスタッフの方々や東京から駆けつけた大学生達によって、手作りですが心を込めて作り上げられた舞台に、私達能楽師は上がり、私は能「羽衣」のシテを勤めさせて頂きました。
羽衣中盤での、奇跡。
天女の羽衣を纏い、前を向いて舞を舞い始めようとした、との時。
私の能面の狭い視界の、こちらを凝視されている被災者の方々の後ろに当時そびえ立っていたガレキの山二山の先の空が、真っ二つに割れ、神々しい陽の光が差し込んできた、奇跡。
あの景色は、一生忘れられません。
そして、能羽衣上演直後の空は、快晴に!!
能羽衣上演直後、私は思わず能面だけを取り、能装束のまま舞台へ再度飛び出し、
「皆さん!見て下さい!この空を!晴れない空はない!これこそ、『なこその希望』じゃないですか!皆さん、頑張りましょう!!」
とマイクを持って絶叫してしまいました。
巻き起こる、拍手!!
スタンディング オベーション!
被災者の頑張る心、雨天でも諦めずに開催に奔走したスタッフの皆さんの心、絶対通常時ではあり得ない雨天での能上演を皆の総意として実行し参加してくれた能楽師のみんなの心、全ての想いが結実した、生涯忘れられない奇跡でした。
東日本大震災10年の今日の福島県の空は、あの時と同じ、快晴!!
追悼と復興の想いを込めて、今日は私一人で(コロナで大変な中能楽師仲間を巻き込むことは出来ませんでした、、、)、あの時と同じく「羽衣」を、同じ岩間海岸で手向けたいと思います!!
(日本国民なら、大震災発生の14:46に全国民黙祷すべき。私は夕方からの東京での能公演申し合わせ(リハーサル)出席のため、帰りの電車内にて黙祷を捧げたいと思います。)
福島県は、廃炉の進まない福島第一原発もあり、 まだまだ復興半ばといえます。
これからも、福島の皆さんとのご縁を大切にしていきたいと思います。
『頑張ろう!東北!』
#あれから10年
#東日本大震災
#がんばろう東北
#なこその希望プロジェクト
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なこその希望プロジェクト
開催日時
2021年3月11日(木)
10:30~おぢや元気プロジェクト
12:00~炊き出し
14:00~追悼式典
19:00~希望の花火打ち上げ
会場 岩間海岸
福島県いわき市岩間町岩下89
駐車場 岩間海岸駐車場
お問い合わせ・福島県いわき地方振興局
3.11東日本大震災の被災者追悼の花火が打ち上がります