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Channel: 能楽師・山井綱雄の~日々去来の花~
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文化庁と文化芸術振興議員連盟へ窮状陳情

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今日は厳しい世相とは裏腹に、長閑な天気ですね。。。

現在、理事を拝命しております「公益社団法人能楽協会」内の渉外委員会で、様々な検討や活動や官庁等々へ要望等々、、、しております。

10日ほど前ですが、国内全ジャンルの芸術団体の統括団体・芸団協の手引きで、文化庁の方々と面談。
各ジャンルから10数の芸術団体代表者が集まり、各界の昨今のウイルスによる公演中止による実演家達の窮状についての報告がありました。

能楽界も、ほぼ全ての公演や講座ワークショップが中止延期となり、解っているだけでも、200公演以上の中止延期、損害額は数億円に上ります。。。

そして、国内全ジャンルで、中止延期は4,000公演以上、損害額500億円という数字も報告されました。。。

大倉源次郎理事と私で、能楽界の窮状、そして能楽専用劇場である能楽堂の窮状を報告し、今後の活動の後押しとなるような仕組みの確立等々のお願いをしました。

また超党派の国会議員の方々から成る「文化芸術振興議員連盟」の公聴会へ出席。
各団体から悲惨な状況報告の中、観世喜正渉外委員長(業務執行(常務)理事)から、能楽の窮状と要望を、国会議員の先生方にお聞き頂きました。
多くの議員皆様からも、ここまでの窮状とはと驚きの声と共に、文化芸術をなんとかしようとのご意見を含め、色々なお言葉を頂きました。

そして、「文化芸術振興議員連盟」として、政府へ文化芸術界を救う為の要望書を出してくださいました。

これからも粘り強く、様々な努力が必要だと感じました。

引き続き、努力して参ります!

さて、、、
欧米に比べて、我が国では、文化芸術の位置は率直に申し上げて、必ずしも高くはありません。

そして、このウイルスによる社会的窮状は、もちろん文化芸術のみならず社会の様々な職種の沢山の方々を苦しめ、生活苦に貶めています。

芸術家もそれに漏れず、舞台活動を厳しく制限され困窮の一途。今、正に絶滅の危機です。
(ある団体代表者は、「もう首を括らなくてはいけない」というほどの窮状を訴えておられました。)

世界に先立てて発表された、ドイツの文化大臣の言葉にもあるように、文化芸術は豊かな裕福な時だけの贅沢品ではなく、人間が人間らしく生きていくための、心の慰みや豊かさや潤いや気付きをくれる、苦しい時だからこそ必要な、人間にとって欠かすことの出来ない必需品です。

そして、我々能楽のような継承芸術は、途切れてしまったらもう再生は不可能です。
しかし今は、その伝統継承の危機、絶滅の危機といっていい岐路と言えます。。。

今は苦しい時ですが、いつかこのウイルスの終息していく活路が見えた時、能楽はじめ文化芸術が、世界で、そして我が国でまた新しい役割を持ち、人々に勇気と励ましと気付きを与えることとなると思います!

明日の見えない厳しい時だからこそ、渉外委員会熱いハートを持ったメンバーで熱い熱い議論を重ねています。
(パートナーシップ契約を能楽協会と結んで頂いた富士通株式会社とも、色々な議論をしています)

明日の、未来の能楽のために、能楽師皆さんと力を合わせて、形にしていけたらと思います。

能楽は、歴史上、数々の苦難を、先人達の努力で、潜り抜けてきました。
観世喜正委員長の父君・観世喜之先生(能楽界最古参御歳84歳)は、「空から爆弾が降って来ないだけ今はまだマシだ」と、戦時中の窮状と重ねてご子息喜正さんに仰っていたそうです。(戦時を潜り抜けた世代の方はハートが強いです!)

今回今正にこの困難の先に、これをきっかけに、新しい『ルネサンス』が始まり、新しい世界・価値観が見えてくるのかもしれません。
(能楽のアプローチも、また変わってくるかもしれません。)

それに文化芸術は、そして、能楽は、大きな役割があると確信しています!!

ピンチをチャンスにどう変えるか??

今だからこそ、考えてみたいと思います。










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